いつも通りの抜け道を走っていた。
少し狭いけど、混まないし、何度も通っている慣れた道だ。
問題は一か所だけある。
道幅がさらに狭くなり、車同士のすれ違いができないポイント。
「ここは無理なんだよな」
そう思い、少し手前の広めの場所で一旦停止した。
対向車が通り過ぎてから動けばいい。
いつもそうしている。
……のだが。
前の車が、なぜか動き出した。
しかも、対向車が来ているのに、そのまま突っ込んでいく。
「あ、行っちゃった……」
「知らないのかな、この先すれ違えないって」
嫌な予感がした。
案の定、狭いところで完全に行き詰まった。
やっぱりすれ違えない。
身動きが取れなくなっている。
次の瞬間。
前の車が、こちらに向かってバックしてきた。
ゆっくり、だが確実に距離が詰まる。
このままじゃ、ぶつかる。
「ちょ、ちょ、ちょ……」
思わずクラクションを鳴らした。
気づいてくれ、止まってくれ。
そう願ったが、間に合わなかった。
――ゴン。
嫌な音がした。
幸い、大きな衝撃ではなかった。
車を降りて確認すると、目立つ傷はない。
相手の車も同様だった。
人も車も、今回は無傷で済んだ。
相手も恐縮していたし、大事にはならなかった。
それでも、気分は重い。
改めて思った。
事故は、必ずしも自分がミスした時に起きるわけじゃない。
どれだけ気をつけていても、
他人の判断一つで巻き込まれることがある。
今回の教訓。
・慣れた道ほど油断しない
・「いつも通り」は安全を保証しない
・危険は、常にすぐ隣にある
何もなかったように終わった一日。
でも、この出来事は忘れないでおこうと思う。
運転は、いつどこで何が起きてもおかしくない。
その自覚を持って、今日もハンドルを握ろう。


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