その日は、得意先との重要な商談があった。時間厳守はもちろん、少しでも余裕を持って到着したい案件だ。
運転中のナビは、いつも通りGoogleマップ。スマホはしっかりホルダーに設置し、法令遵守でスタート。
表示を確認すると、予定通りなら約束の15分前に到着できる。
「よし、完璧だ」
そう思いながら走り出した。
しばらく走ったところで、異変が起きた。
地図上の自分の位置が、突然おかしくなる。進んでいるはずなのに、全然違う場所を表示している。ルートもおかしい。画面上では、なぜか別の道を走っていることになっていた。
「あれ……?」
一気に焦りが出た。
このままナビを信じて走っていいのか分からない。さっきまであった「15分前到着」の余裕が、頭の中から一瞬で消えた。
パニックになりかけたが、ここで無理に判断するのは危険だと思った。運転中に操作を続けるのも良くない。一度、冷静になることにした。
安全な場所に車を停めて、状況を整理する。Googleマップを再起動し、位置情報を確認。
スマホの向きや状態を見直し、もう一度現在地を取得させる。少し待つと、表示が安定した。地図上の位置が、現実と一致する。
そこからは、無理をせず、確実なルートを選んで再出発。
結果的に、到着したのは約束の5分前。十分とは言えないが、遅刻せずに済んだ。
商談自体は問題なく終わった。だが、あの一瞬の焦りは、今でもよく覚えている。
今回の教訓。
・ナビは万能ではない
・異変を感じたら、まず止まる
・時間の余裕は「心の余裕」でもある
運転中のトラブルは、いつどこで起きるか分からない。大事な予定があるときほど、「冷静に止まる判断」が一番の近道になることもある。


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