スーパーのレジに並んでいた。
レジ直前は通路になっていて、行列に少し“穴”が空く形になる、よくある配置。みんな黙って、ちゃんと順番を守って待っている。
そんな中、レジ直前のその“穴”に、初老の男性がすっと入ってきた。
少しイカつめ。
服装も雰囲気も、正直ちょっと怖い。
並んでいるのは主婦の方がほとんど。怪訝そうな顔はしているけど、誰も何も言わない。一瞬、空気が止まった感じがした。
……これは。男の自分が何とかするしかないんじゃないか。そう思ったものの、内心はかなりビビっていた。
「変に絡まれたらどうしよう」
「面倒なことになったら嫌だな」
でも、何も言わずにそのままになるのも、なんだかモヤっとする。
意を決して、声をかけた。
「す、す、す、すみません……。 みんな並んでいるので……」
相手はイカつめの男性。一瞬、間があって、正直ドキッとした。
すると
「あ、そうなの? 本当だ!全然気が付かなかったよ。 ごめんね」
そう言って、すっと列の後ろへ戻ってくれた。拍子抜けするくらい、あっさり。変に絡まれることもなく、大きなトラブルになることもなかった。
周りのお客さんたちも、声には出さないけど、「よく言ったな」みたいな空気を感じた。
正直、ヒーロー気分というより、「終わってよかった……」という安堵のほうが大きかった。
今回の教訓。
・横入りは、悪意じゃないケースもある
・声をかける側も、実はかなり勇気がいる
・丁寧に伝えれば、案外すんなり解決することもある
毎回できるかは分からないけど、今回は声をかけてよかったと思っている。


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